「地理総合の授業」刊行 新指導要領に合わせ実践事例などを紹介
9面記事帝国書院
(株)帝国書院は1月10日、「地理総合の授業」(奈良県高等学校地理教育研究会編)を刊行した。高校で来年度から始まる「地理総合」に向けて作成されたもの。地理の専科教員だけでなく、歴史科を専門とする教員が実践しやすい事例などを盛り込んでいる。奈良大学地理学科の学生も自身のフィールドワークの調査を紹介するなど、執筆に関わった。同書は
(1) 「単元の指導事例~学習指導要領にそって~」
(2) 「教材化における観点の違いの比較 地図から考える多文化共生~大阪市生野区コリアタウン周辺を事例として~」
(3) 「地理総合の実施に向けて」
―の3部構成になっている。
このうち第1部では、新学習指導要領の内容に合わせた実践事例を紹介。国土地理院の「地理院地図」を使ったGIS(地理情報システム)、自然地理と防災教育、国際理解と国際協力、世界の食文化などに関する実践例を載せている。
第2部では、大阪市生野区のコリアタウン周辺を事例に、地図から考える多文化共生を紹介。「地理的観点」「歴史的観点」からの教材化について触れている。
第3部は、同大の学生が行ったフィールドワークを基に、高校周辺での「フィールドワーク指導案」を作成して紹介。この学生は、奈良県内の国公立高校34校の周辺地域を調査し、水田や城跡といった地形などを調べた。教員がフィールドワークの授業実践で使うための指導案を作成した。例えば、「一面水田だった佐保川の氾濫原と大仏鉄道跡」(自然環境)などの指導案が紹介されている。
A5判、120ページ。2750円(税込み)。
同社=https://www.teikokushoin.co.jp/