1年目の校長に向け経験者がメッセージ
4面記事教育開発研究所が書籍
複数の自治体で教育管理職の若返りが進み、先輩からの「教え」が伝わりにくくなったという話を聞く。本書「校長1年目のあなたに伝えたいこと」は校長経験のある22人が1年目の校長に向けて、さまざまなメッセージを投げ掛けている。
全3章の構成で、1章は「失敗・失策、拠り所となった言葉」を紹介し、2章は「校長の仕事」の本質・あるべき姿を、3章は副題にもある「困難に打ち克つ」ための方策をまとめている。
1章に登場する清水弘美さんは、「ゆるがない教育ビジョンこそ最高の武器」という言葉や、保護者や議員との向き合い方を提案。
向山行雄さんは、自分を支えた言葉として先輩校長から寄せられた「何とかなる」を挙げ、さまざまな危機的場面に遭遇しながらも、職責を全うすることができたのは、この言葉のおかげと結んでいる。
2章に登場する喜名朝博さんは、校長が持つべき「七つの思考法」を紹介。具体的には、違和感を大切にする、早い判断を心掛ける、好き嫌いで仕事をしない、最善を尽くす、できない理由を探さない―といった内容だ。七つの思考法の大前提として、課題と向き合うことになっても、「困難だと思わない」ことが大事で、「問題は起こるもの」という認識を持ちながら一つ一つ整理し、解決していく重要性を指摘している。
玉置崇さんは、「校長職はこんなに楽しい」と題して、初めて校長になった時に記していた日記の内容をまとめた(「三楽の仕事日記」の名称で一般公開)。校長は「孤独だが孤立してはならない」という言葉もある。
定価2200円。
問い合わせ=教育開発研究所 Tel03・3815・7041