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学習指導要領対応(令和版)生徒指導・キャリア教育

18面記事

書評

吉田 浩之 著
課題多い分野を解説、指導法も提示

 学習指導要領を中心に、法令、文科省から発出される通知、協力者会議の報告書などをひもとき、「生徒指導」(第1章~10章)「キャリア教育」(第11章~16章)を解説し、併せて具体的な指導のアプローチ法を示した。
 平穏な日常にあっても効果的な指導につなげるには課題が多い両分野である。
 例えば、生徒指導では問題行動に対処する「消極的な生徒指導」だけでなく、本来の目的である「社会的自己実現に向けて個々の児童生徒の自己指導能力を育成すること」につながる「積極的な生徒指導」や、生徒指導の充実につながる「児童生徒理解の深化」や「教師と児童生徒との信頼関係の構築」などの基盤の確保、保護者との共通理解の方法として示す「学校だよりや学級・学年通信等、PTA会報、保護者会等の相互交流」による「開かれた生徒指導の推進」などが実現できているか、見直す契機になる。
 「教育機会確保法」や「いじめ防止対策推進法」といった法令が誕生して環境が変化しつつある「不登校」や「いじめ」の対応についても、その動向とともに具体的取り組みの在り方を提示した。「キャリア教育」では学級活動やホームルームの時間で展開する「学習指導案」も掲載する。
 コロナ禍や多忙化の解消といった職場の変化の中で、基本に立ち返り、取りこぼしている視点はないか、本書中に掲載してある課題に応じた「チェックリスト」などを活用したい。
(2420円 北樹出版)
(矢)

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