小・中教員 採用倍率の低下続く
1面記事 文科省が1月31日、本年度の教員採用試験の実施状況を公表した。小・中学校ともに採用倍率の低下が続き、小学校は過去最低の2・6倍(前年度2・7倍)、中学校は4・4倍(同5・1倍)だった。一方、高校は6・6倍で前年度の6・1倍から上昇した。
小学校では、採用倍率が過去最高(12・5倍)だった平成12年度の採用者数は3683人だったが、その後、大量退職が続き、本年度は1万6440人と5倍近くに増加していた。採用倍率の低下の一因となっている。
受験者数の減少も影響した。内訳を見ると平成25年度以降、新卒者に比べ既卒者が大きく減っていた。同省では「臨時的任用教員や非常勤講師などを続けながら教員採用試験に再チャレンジしてきた層が、正規採用されることで既卒の受験者が減ってきている」と理由を分析する。
中学校の採用倍率も4・4倍と過去最低だった平成3年度(4・2倍)に迫った。採用者数の増加が続く一方、新卒・既卒ともに受験者数が減っており、倍率低下を招いていた。