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いじめ重大事態、まずは被害者対応を NPOが文科省へ意見

2面記事

文部科学省

 いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」への対応について検討している文科省の「いじめ防止対策協議会」は1月31日、いじめ被害者の母親で、中立の立場でいじめ問題に介入し、解決を目指すNPOの代表から意見聴取を行った。意見を述べた森田志歩さんは、重大事態が起こった際の調査に時間をかけるよりも、被害を訴える子どもへの対応を急いでほしいなどと訴えた。
 本年度の同協議会は今回で3回目の開催となる。同法は、生命・心身・財産に重大な被害の疑いがある場合などを重大事態と位置付け、教育委員会や学校が事実関係を明らかにするための調査を行うことを義務付けている。
 一方で、重大事態が発生したのに、学校がいじめと認知できなかったなどの課題があった。
 森田さんは「(被害に遭った子どもは)助けてもらえないと感じることによって絶望する」「調査等は時間がかかり、その間、いじめか否かも明確にされず原因究明や再発防止もなされない状況であることから、さらに不安を抱えることになる」などと意見を述べた。
 意見発表後の質疑では、全日本中学校長会生徒指導部長で東京都大田区立大森第三中学校校長の笛木啓介さんが森田さんに、いじめの被害者が加害者に転じる場合の対応について質問。森田さんは、「いじめ」という表現を使わず、被害者がどのような被害を受けたか、加害者に伝えるような指導が望ましいと応じた。
 加えて、「いじめ」という言葉を使うと、その定義を巡って議論がこじれていくなどと説明した。

文部科学省

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