「ケアラー」啓発へ 小学生用に小冊子「伝えたいことカード」添付
16面記事埼玉県
埼玉県は小学生向けにヤングケアラーについて啓発する小冊子を作成した。高校生向け、中学生向けに続くもので、小学生向けでは、当事者となった小学生自身が自分の状況を周囲の人に伝えられるよう、切り離し式の「伝えたいことカード」を添えた。県内の国公私立の小学校を通して、児童に配る。
作成に当たっては、成蹊大学の澁谷智子教授が監修。ヤングケアラーについて「家族のために、大人がするような家事や家族の世話などをしている18歳未満の子ども」と説明している。ケアの具体例としては「心が不安定な家族の話を聞いている」などを挙げた。
当事者となった児童に対して、「家族の世話をしていることは素晴らしい」とした上で、「勉強や友達と遊ぶことも大切」「悩みや不安があったら、周りの大人に話をしてみて」と呼び掛けている。担任の教員をはじめ、児童委員・主任児童委員などを挙げた。
添付した「伝えたいことカード」は、ケアの相手・内容などを記す。電話やSNSで相談できる窓口も紹介した。啓発資料はインターネット上で公開している。