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海部元首相が逝去 文相を2度経験

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海部俊樹元首相 写真は首相官邸ホームページから

 2度にわたって文相を務めた海部俊樹元首相が9日に亡くなった。91歳だった。
 海部氏は昭和51年に45歳で福田赳夫内閣の文相として入閣。大学入学共通テストの前身である共通一次試験の導入準備を進めた。就任間もなく本紙の単独インタビューに応じ、当時、中学生と高校生の子どもを育てていた経験も踏まえて受験競争激化の問題を指摘。「少なくとも小・中学校ぐらいは塾などに行かないでドロンコになって遊ぶぐらいでなくては」などと述べた。
 昭和60年には第2次中曽根内閣で再び文相に就任。当時も、いじめ問題が深刻化しており、翌年1月28日に行ったインタビューでは、「学校のゆとりの時間を、できればスポーツなど健全育成の方に使って、いじめに使うエネルギーや時間がなくなるようにしてはどうか」などと話した。通算で約18カ月間、文相の職にあった。
 平成3年の首相退任後も教育政策との関わりを保ち、平成15年には、義務教育費国庫負担制度の堅持に向けて他の文相経験者と共に首相に申し入れを行った。平成18年の教育基本法改正の国会審議にも加わっている。
 芸術振興に尽力し、平成5年から日本書道美術館名誉館長を務めていた。

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