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おもしろすぎて授業したくなる道徳図解

16面記事

書評

森岡 健太 著
「型」示し初任者も取り組みやすく

 こんなに親しみのある平易な文章で、まるで対面しているかのように書かれている内容の本は珍しい。そして「まえがき」には「道徳の授業作りの仕組みが分からない」「道徳の授業をレベルアップさせたい」と思っている方にと結んでいる。
 本書の1章で「授業作りはパーツの組み合わせでできている」と解説している。この視点はありがたいし、分かりやすい。2章では「授業作りのパワーアップには型を見つけること」、3章は「さらなるレベルアップには多様な方法を知ること」、そして最後の4章は「大公開!授業作りドキュメント」と構成され全てが見開きで、テーマごとに完結して読める。図解も多く取り入れてあり、確かにおもしろいし、授業したくなる気分にさせる。
 初任者でも早速、明日からでもやれそうな意欲を駆り立ててくれる内容にまとめられている。第3章にある「失敗したから今がある」の著者のつぶやきから読んでほしい。そして4章に書かれているように、まずは指導計画のまねをして、型にはめて、パーツを組み立てれば、かなりの授業ができることだろう。
 「あとがき」にもあるように、まさに守・破・離を指しているように感じられる。基本を身に付けて、違和感を覚えたら、自分なりのバリエーションを加えて、ワクワクしながら授業に臨む姿を期待させる良書である。
(2090円 明治図書出版)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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