コロナ下、学び支えた努力と工夫
1面記事小林 幹長 日本教育新聞社社長
平成から令和へと変わって3度目の新春を迎えました。新型コロナウイルスが大きな影響を及ぼした昨年ですが、教育・保育に関わるさまざまな方々は、努力と工夫により、子どもたちの学びと育ちを支えてこられました。心より敬意を表します。
昨年は1月が始まって間もなく、緊急事態宣言が出ました。8月には「第5波」と呼ばれた感染拡大があり、新規感染した児童・生徒、幼稚園児の人数は過去2年間で最多となりました。
この間、学校現場は、修学旅行をはじめとした学校行事を延期・中止するなど苦渋の決断が迫られました。
一方、小・中学校では、インターネットに接続できる情報端末が児童・生徒に行き渡るようになりました。以前では考えられなかった学校間交流や、外部講師による講話などが実現できた年でもありました。
各学校による研究授業や、教員・保育士による実践報告をオンラインで提供する動きが広がり、教育関係者・保育者の学び合いは新しい局面に入ったといえるでしょう。
今年は高校で、新しい学習指導要領による教育課程が1年生から完全実施となります。昨年は特別支援学校に初めて設置基準が作られるなど、特別支援教育を巡る新しい動きもありました。
このような状況を踏まえ、本紙は昨年4月に、「高校」「特別支援教育」に関するページをそれぞれ独立させて設けました。各学校種に関わる方々からご好評を頂いています。
小・中学校では、情報端末の活用が課題です。記事で現場の工夫や苦労を連載企画などで紹介しています。授業づくりに、先生方の教材として生かしていただければ幸いに存じます。
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今年は寅年です。新春の祝いなどに、獅子舞を舞う地域がありますが、東北地方沿岸部などには、獅子頭ではなく、虎頭を動かして舞う「虎舞」という伝統芸能があります。
そうした地域では、児童・生徒が虎舞を習い、学校行事などで披露する学校があります。
健康を願って舞う獅子舞、航海の安全を願って舞う虎舞。幸福に向けた人々の祈りがこのような伝統芸能として残っているようです。
コロナ禍の中で始まった新年です。私たちはこれまで、祈りを捧げながら、幾度も感染症の波を乗り切ってきました。各地に残る獅子舞や虎舞の力も借りて、今回の災禍も乗り切っていけると信じたいものです。