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一刀両断 実践者の視点から【第119回】

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中途半端な「GIGAスクール」

 中途半端をGIGAスクールが象徴している。《1人1台端末の利用「授業で毎日」2割止まり、民間調べ》という見出しの記事が扱われた。その内容は見込みと大きく異なっているショッキングな内容になっている。
 「利用頻度を把握していない」が回答の4割近くという現実があるという。
 調査した企業は、自治体では端末へのログイン状況をクラウドで自動的に把握する機能の利用を進める必要であるとまとめている。
 ICT環境整備として配当されているお金はどこへ消えているのをご存知だろうか。一般財源として国から出された分は、自治体の長の裁量によって道路の整備へ使用されたりしてしまうのである。この使用方法には首長の価値観が現れる。
 学校現場の実態を知らずに教育を利用して自らの利益や欲の満足を求める多くの者達は、この利用状況をどのように受け止めるだろうか。
 そして、プログラミング学習も学校では曖昧な言葉だけが飛び交い、研修が行われてもスキルのみの演習で「何のため」に学ぶのか、それは人間の未来にどう繋がるのかを教えているものはあまりないようだ。モラルを基底にしたものでなければ、三方よしとはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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