一刀両断 実践者の視点から【第116回】
NEWS大学理事長の逮捕
大学の理事長(当時)が脱税で逮捕された。こうした出来事に私たちはあまり驚かないようになっている気がする。それも教育者の肩書きではトップニュースになる。若き頃はスポーツで鍛えた勇姿が虚しく感じられる。
本質は権力への欲望とエゴにあると思える。これを制御し共存共栄の為にと心を砕く事をいつしか忘れた姿を露呈したのである。
こうした結果になる前に誰が制御すべきだったのだろうか。こうした悪事の芽を早期の段階で摘み取れたはずなのに、それを容認した面々の罪は本人よりも重いのではないだろうか。
すなわち天国と地獄を示しているようだが、上と下も常に心は地獄であったのではないだろうか。周りには同類がかなり存在すると思われる。不当な権力に負けない正義が行使されれば芋づる式に検挙されると推測される。
哀れな末路に権力と金の魔力を痛切に感じさせる事件であり、理事長もある意味犠牲者のように思える。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)