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子牛が「卒業」、牧場へ帰る 2カ月飼育、児童に思いやる心

2面記事

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栃木・那須町の小学校

 約2カ月間にわたって5年生が子牛を育ててきた栃木県那須町立学びの森小学校は2日、子牛の「卒業式」を開いた。毎日、餌をやったり、校内に設けた小屋の掃除をしたりしてきた児童を前に遠藤勇規校長は、「自分のやり方に変えてはいけないし、さぼることもできない。話すことができないニコリー(子牛の名)の立場で考え、思いやりの心を培ったと思う」などと言葉を詰まらせながら語り掛けた。
 この日は、子牛を所有する牧場のスタッフが子牛に代わって遠藤校長から卒業証書の授与を受けた。ニコリーを所有する「森林ノ牧場」(那須町)へと帰っていった。一部の児童は、その模様を情報端末のカメラ機能で撮影し記録を残した。

 同牧場の山川将弘代表取締役によると、那須町は酪農が盛んで、この小学校にも酪農家の子どもが通う。総合的な学習の時間で地域社会について学ぶ中、「実際に体験するのが一番」(山川さん)として、2年前に、同小学校で牛の飼育が始まった。
 ニコリーは2年前に同小学校の児童が飼育した牛が産んだ。9月にやってきた時の体重は97キログラム(推定)で、12月の「卒業式」に体の大きさを測って体重を推定したところ、134キログラム(同)まで増えていた。
 この日、同小学校の校庭を児童と共に散歩したニコリーは小用をもよおした。児童は動じることなく、濡れた地面を砂で覆った。
 森林ノ牧場の山川さんは飼育を担当した5年生を前に、「大変なこともあったと思う」「那須で暮らすと必ず酪農家や牛と関わることがある。そのときに、2カ月間の経験を思い出してほしい」などと語り掛けた。
 遠藤校長は、この2カ月間の学びについて、「責任感と思いやりについて学べた」と話した。

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