特異な才能のある児童・生徒への支援策「ある」教委6%
1面記事文科省調査
文科省は同日、教育委員会を対象に、特定の分野に特異な才能のある児童・生徒への支援策の有無について調査した結果を公表した。回答を得た504教委のうち、支援策が「ある」と回答したのは30教委(5・9%)だった。その支援策として、外部講師による指導や体験活動の提供、奨励金の配布といった事例があった。 支援策が「ない」という教委にはその理由を尋ねた。「該当する児童・生徒の選定基準がはっきりしていない」「対象者が少なく、予算や人員が確保できない」「指導者がいない」などが挙がった。
指導について求めることも聞いた。「対象者の選定基準や支援策の具体例を示してほしい」「学校や市区町村教委では無理なので、都道府県教委や国が主導で取り組んでほしい」という声が出た。
今回の調査は文科省ホームページに調査フォームを設置し、各教委がそれに回答した。実施期間は8月27日から9月24日の約1カ月間。教委主体の支援策だけでなく、他主体の取り組みを該当者に紹介することも「ある」に含むこととした。
この日の有識者会議の第5回では、教委へのアンケート結果も踏まえ、今後の検討の方向性を話し合った。
委員らは「基準や事例の具体的なものを示す」「特定の児童・生徒ではなく、全ての子どもを対象にするということを広く周知する」「才能を伸ばすことではなく、一人一人にあった教育プログラムの提供が主目的である」「才能を伸ばすというだけでなく、才能が原因の悩みなどの対応策も示す」といった方向で検討を進めることに同意した。