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私立高校の学費滞納、中退率が過去最低 コロナ影響かバイトは増加

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全国私教連の調査

 4月から9月までの間に学費を滞納したり、経済的理由で中途退学したりした私立高校生の割合は本年度、これまでで最も低かったとする調査結果を全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が11月29日、公表した。昨年度から始まった就学支援金の拡充の効果とみられる。一方で全国私教連は「コロナ禍の影響で家計困難からアルバイトをする生徒は増加している」などとして、国に支援金の増額などを求めている。

 調査は、全国私教連が加盟校590校を中心に実施し、34都道府県の347校(在籍生徒約29万人)から回答を得た。3カ月以上学費を滞納した高校生は全体の0・5%(1432人)で昨年より0・02ポイント下回った。ま
た、9月末の経済的理由による中途退学者の割合も0・0035%(10人)と最も低かった。
 コロナ禍の影響についても調べた。学費を滞納した生徒のうち、コロナ禍を理由としたのは14都府県45校に87人、昨年の71人より増えていた。加盟校からは「家計が急変する家庭は増加傾向にある。低所得世帯に限りなく近い、中所得世帯の教育費負担が問題になっている」などの声が聞かれたという。
 高校の就学支援金は昨年度から引き上げられ、年収590万円までの世帯に年額39万6千円が給付されるようになった。これを受けて独自の制度を拡充し、年収700万円までの世帯に補助制度を設ける自治体も23都府県と約半数になったという。
 全国私教連では「コロナ禍による影響がありながら、こうした制度拡充が学費滞納や中退の一定の歯止めとなったことは間違いない」と分析した。
 一方で、生徒へのアンケート結果などから、「家計困難からアルバイトする生徒が増加し、進路変更の相談が出ている現状がある。高校生が安心して学校生活に打ち込むことができない状況だ」として国に支援金の拡充や授業料以外にも入学金の補助制度の創設などを求めている。

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