高校生らの「挑戦」後押し キャリア支援団体が トヨタと共同で無料講座
3面記事 若者のキャリア支援を行う一般社団法人「HASSYADAI social」は来年1月から3月にかけて、トヨタ自動車との共同事業として、15~18歳の世代を対象としたオンラインプログラム「project:ZENKAI」を始める。
「学歴や偏差値だけで人を決め付けず、一人一人の可能性を応援できる社会にしたい」という、ハッシャダイソーシャル代表の三浦宗一郎さんの思い。モビリティカンパニーへと変革を進め「次の社会のために、誰かのために、情熱を持って世の中をもっと良くしていく人を育てたい」「多様な人が活躍できる社会をつくりたい」というトヨタ自動車の思い。こうした両者の思いから今回の取り組みはスタートした。
同法人は、中卒・高卒といった学歴の若者に、企業でのインターンシップの場を提供するなどして就労を支援してきた株式会社のハッシャダイが昨年3月に設立。全国の高校、少年院、児童養護施設などでキャリア教育を行っている。
3カ月間のプログラムは、さまざまな分野で活躍する社会人メンターや大学生が入り、参加者同士での対話をベースとして、自分自身について深掘りをしたり、新しいことに挑戦したりできる。参加者に寄り添うメンターには、茶道家、経営者、作家、写真家などが名を連ねている。
参加者は12月5日まで公募で、ホームページから、誰でも申し込み可能。100人の高校生世代に無償で提供する。
この事業では、若者たちを受け止める社会の側に対しても、学歴・学校歴だけにとらわれない、新たな教育・採用の指標を探求したいとしている。
三浦さんは「高校や少年院、児童養護施設などでの若者たちとの関わりを通じて、一人一人の中にはとてつもない可能性があると確信している。現場で若者たちの可能性を目撃している先生方の力を貸していただけたら、うれしく思う」と訴える。
トヨタ自動車人事部の山口勇気さんは、「1人でも多くの若者が自分自身について深く理解し、自分の可能性にふたをすることなく、未来を切り開いていく後押しをしたいと考え、このプロジェクトを始動した。多様な人材が活躍する社会づくりに貢献できれば」との言葉を寄せた。