起業家精神育む高専を令和5年度に設立 企業が寄付、徳島・神山町に
2面記事 IT関連企業やベンチャー企業のサテライトオフィスが集まる徳島県神山町で、令和5年度に開校を目指す私立高等専門学校「神山まるごと高専(仮称)」に対し、支援が集まっている。同校では、テクノロジーやデザイン、起業家精神を中心にしたカリキュラムを組み、15歳から20歳の5年間で事業を創出するための実践的な知識やスキルを身に付けられるようにする。
徳島県内の企業10社やコクヨ(大阪市)が先月下旬から今月上旬にかけて、「企業版ふるさと納税」を通じて寄付を行った。高専の新設は約20年ぶりとされ、企業版ふるさと納税の仕組みを活用した学校の設立は国内初だという。
神山まるごと高専は全寮制で1学年40人。開校予定地は同町の神山中学校としている。
同校の校長には自身も高専出身で「ZOZOテクノロジーズ」元CTOの大蔵峰樹氏、理事長には「Sansan」創業者の寺田親弘氏が就任を予定する。
徳島県の山間部にある同町での開校により、200人の学生や30人を超える教職員が行き来することで経済効果を見込む。
企業版ふるさと納税は、国が認定した地方自治体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合、法人関係税が最大90%控除される仕組みだ。10月21日には阿波銀行や大塚製薬工場など徳島県内10社が寄付を行ったと発表。今月5日にはコクヨが1億円を寄付した。
徳島県内の企業からの支援を受け、神山まるごと高専は「長期的に本校の卒業生が社会で活躍し、徳島県神山町へ還元することにより、『神山から未来のシリコンバレーを生み出す』ことを目指している。県内企業との連携をさらに強め、地域に根付く学校づくりを推進していく」としている。
高専は全国に57校あり、国立が51校と大半を占める。公立と私立は3校ずつある。