岩手のボランティア団体代表

　岩手県大船渡市でボランティア団体代表を務める佐々木伸夫さんは昨年から中学校３年生を対象に数学の学習プリントを作り、無料で添削指導を行っている。郵送料は本人負担。中学校１、２年生時の復習に始まり、東京書籍の教科書に準拠して３年生の各単元を進んでいく計１０回で構成。解答を記入したプリントが佐々木さんに届くと、遅くとも２日後には、添削指導を行い、次の課題プリントを添えて返送する。
　学習塾経営の経験を持つ佐々木さんは東日本大震災が起こってから、仮設住宅で生活する子どもたちを対象とした学習支援活動を続けてきた。この間、佐々木さん自身の健康上の理由により、自宅から携帯電話を使って指導するようになった。
　続けて、昨年は添削用のプリントを作成し、郵便による添削指導を始めた。大船渡市の広報媒体や、個人のSNSを使って利用を呼び掛けてきたが、利用は伸びなかった。大船渡市に限らず、全国どこの中学生でも、添削指導を行うという。
　長く岩手県外で暮らしてきた佐々木さんは東日本大震災が起こる前の年に帰郷した。そこで、教育環境の格差を感じることとなり、震災後は、ボランティア活動に力を入れるようになった。
　佐々木さんは、「今の子どもたちが置かれている環境は決して良好だとはいえない。子どもたちの未来が少しでも明るくなるよう支援していきたい」と訴えている。
　連絡先＝Tel０９０・３５８３・６５２７