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一刀両断 実践者の視点から【第98回】

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論説・コラム

コロナ禍の時代に感性を磨く

 「マスク美人」という言葉がある。マスク着用時の姿しか知らない人がマスクを外したとき、やや驚く事がある。目は口ほどにものをいうと言われるが、顔、鼻、口をすべて見せたときとそうでないときのイメージは大きく異なることがある。目から受ける印象は大きい。
 私は授業や講話でほとんど手を上げさせる事はしない。好まないのである。なぜなら、意思表示で手を挙げるとなると、自信のないものには、よい考えだと思っても、恥ずかしい、間違っていたらと考えるからである。
 それよりも目線で把握できる方が自然であり対話的である。その為にはこちらの感性をかなり磨いておかないと、感情や心理を読めないのである。観察力が必要であり、私は目が一番疲れる。
 富士山の頂上に全盲の生徒と登る事になった。御来光は見えないのでどのように教えようかと考えていたところ、誰よりも早く黎明の兆しを指摘したのである。風の動きを敏感に察していたのである。コロナ禍の時代にこそ感性を磨き、面白味や豊かさに気づけるチャンスかも知れない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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