教職大学院入学者、定員の8割を切る 枠拡大、コロナも影響
1面記事 文科省は14日、教職大学院の本年度入学者の選抜実施状況を公表した。入学定員の充足率は平均で、前年度より2・4ポイント少ない78・6%となり、制度を開始した平成20年度以降で最も低かった。入学者は増えているものの、令和元年度以降、主に国立大学で入学定員が大幅に増えたことが影響した。
教職大学院数は国立47校、私立7校で計54校。本年度の入学定員は2453人(前年度比203人増)で、入学者は1927人(同104人増)だった。入学者の内訳は現職教員の学生が793人(同11人減)に対し、学部新卒学生が1134人(同115人増)だった。
文科省が平成29年、教員養成系の修士課程を教職大学院に移行する方針を示したことで、教職大学院の入学定員は大幅に増加した。令和元年度には前年度の1409人から2054人となり、定員充足率は97・2%から80%前後に低下した。
同省の担当者は、本年度の定員充足率低下の背景に、コロナ禍の影響で教育委員会からの派遣が減ったこともあると見ている。来年度の状況も踏まえ、教職大学院進学者に与えるインセンティブを検討する方針だ。
教職大学院の入学定員充足率
(国立)
北海道教育大 96・3%
弘前大 111・1%
岩手大 106・3%
宮城教育大 98・1%
秋田大 75・0%
山形大 85・0%
福島大 75・0%
茨城大 93・0%
宇都宮大 105・6%
群馬大 100・0%
埼玉大 90・4%
千葉大 55・0%
東京学芸大 91・0%
横浜国立大 100・0%
新潟大 90・0%
上越教育大 67・6%
富山大 114・3%
金沢大 100・0%
福井大 81・7%
山梨大 89・5%
信州大 103・3%
岐阜大 92・0%
静岡大 84・4%
愛知教育大 58・3%
三重大 72・0%
滋賀大 57・1%
京都教育大 90・0%
大阪教育大 77・3%
兵庫教育大 65・2%
奈良教育大 84・0%
和歌山大 70・0%
島根大 85・0%
岡山大 62・2%
広島大 96・7%
山口大 57・1%
鳴門教育大 58・3%
香川大 100・0%
愛媛大 112・5%
高知大 86・7%
福岡教育大 92・0%
佐賀大 100・0%
長崎大 96・4%
熊本大 126・7%
大分大 70・0%
宮崎大 75・0%
鹿児島大 95・0%
琉球大 105・0%
(私立大学)
聖徳大 46・7%
創価大 24・0%
玉川大 45・0%
帝京大 23・3%
早稲田大 45・0%
常葉大 70・0%
立命館大 77・1%