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一刀両断 実践者の視点から【第91回】

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論説・コラム

「品」を身に付ける難しさ

 《山口真由氏 岸田新総裁に「東大に3度落ちるなんてよっぽど受験が好きなんだな」》(東スポWeb)という見出しの記事がある。いつかはやらかすと思っていたが、あまりに品位のない放言には幻滅してしまった。
 品性のない優秀ほど醜いものはない。評論家となればこうした放言はやがて風化するだろうが、品位は変えられないものである。だから私は大半の評論家を下品に感じられてしまう。
 学力よりも人間力、すなわち品格の方が身に付けるには困難であり、言動はよい香りに譬えられ尊敬に値するものである。
 放言をさせて訂正や詫びもしないで視聴率をあげるようなテレビ番組は観たいとも思わない。観るだけで自分まで下品になってしまうように感じられるからである。
 山口氏は大学の教員もしているようだが、学生への見方も同じだろうと思われる。学生はその本質をしっかりと見抜くだろう。天に向かって唾を吐けば、自らに掛かるという分かりやすい行為である。
 笑ったつもりが笑われるのだから私には決して優秀な方とは思えないし、言葉遣いを知らない高慢な弁護士にしか感じられない。
 私の教え子であれば、手紙か電話で叱りつけるだろう。何故なら本人に期待するからであり、担任は一生担任だからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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