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第64回企画展『鳥がトリであるために』開催中

関東版

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オンラインで事前予約受付中
12月5日まで
群馬県立自然史博物館

 群馬県立自然史博物館では、令和3年9月11日(土)~12月5日(日)まで、開館25周年記念として、第64回企画展『鳥がトリであるために』season2を開催している。season1は、令和3年7月17日(土)~9月5日(日)まで開催されていた。
 世界に一万種ほどいる鳥の仲間は、陸、海、空などで暮らし、形さまざま、色とりどり、多様な環境に適応している。このような鳥たちの世界を、群馬県立自然史博物館が25年間、収蔵・調査研究を行ってきた標本を多数展示して紹介している。

 企画展に入るとペンギンたちが迎えてくれる。全館に新型コロナウイルス感染症対策のための様々な工夫が凝らされているが、ここでは、スイッチなどに触れなくても、センサーが働いてペンギンの鳴き声が聞こえたり、ペンギンの写真にアプリをインストールしたスマホをかざすとペンギンが動き出したりという仕掛けもある。


 次は、鳥の最大の特徴である羽について学ぶ空間だ。
 海に潜るペンギン、地上を走るダチョウやエミュー、空を飛ぶフクロウなど、どの鳥も体の表面が羽で覆われていること、羽には綿羽・糸状羽・正羽などの種類があること、飛べる鳥と飛べない鳥の違いは羽と骨の形にあること、飛べる鳥は尾羽でバランスを取っていることなどが学べる。
 一羽の鳥にはどれくらいの羽がついているかを伝えるために、博物館のスタッフが羽を一本一本取って体の部位に沿って並べた展示もある。1枚の羽から特徴をとらえ、持ち主を探し出すゲームも用意されている。
 次は、流線的なフォルム、体重の軽さ、体温調節の仕組み、筋肉、骨格、内臓など飛ぶことに適応した構造を学ぶ空間。軽くて丈夫な骨、はばたきの原動力となる胸の筋肉、はばたく羽を支える滑車の役目をする肩の骨などについてわかりやすく展示してある。
 そして、鳥類の形質的多様性を感じる空間へと進む。主な食べ物や生息する場所によって違いが生じるくちばしの形や足の形など、たくさんの鳥類の剥製から多様な環境に適応した鳥たちの暮らしを学ぶことができる。鳥の鳴き声を当てる「この声、誰の声?」も面白い。
 このほか、秋の学びの場として、レッドリストと種の保存法、天然記念物などについての説明や展示、season2のみどころとして、「渡り鳥の季節」や特別天然記念物の剥製、冬鳥の羽図鑑、骨コレクションなどが追加展示されている。
 企画展関連イベントとして、ワークショップや講演会も行われており、館内には、すでに終了したワークショップ「鳥トリキューブをつくってみよう!」などの作品も飾られている。
 企画展は、常設展を観覧してからの見学順路になっている。常設展は、A・地球の時代、B・群馬の自然と環境、C・ダーウィンの部屋、D・自然界におけるヒト、E・かけがえのない地球で構成されており、展示資料の多さに驚かされる。
 現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、入館には、オンラインによる事前予約が必要となっている。
(山田和豊 群馬・編集委員)


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