通信制高校の制度見直す 有識者会議で議論開始
1面記事文科省
不登校をはじめ多様な背景を持つ生徒を受け入れ、全国で急増する通信制高校について、文科省は制度を見直す議論を始めた。9月28日に有識者会議の初会合を開き、教育方法や設置認可基準などを検討課題とした。委員は生徒の実態を踏まえた指導や第三者評価の重要性を指摘した。
文科省によると本年度、通信制高校に在籍する生徒は約21万8千人に上り、過去最多となった。学校数も公私立合わせて260校あり、全国で増加傾向にある。特に、三つ以上の都道府県で生徒を募集し、通信教育を行う広域通信制高校が急増している。
近年は、小・中学校や前籍校で不登校経験があるなど、手厚い支援が必要な生徒が多く在籍している実態がある。また、一部の通信制高校では、学習指導要領で定める面接指導を実施していないなど、不適切な教育活動が確認されていた。
有識者会議の座長には教職員支援機構の荒瀬克己理事長が就いた。会議は来年度末までの開催を予定する。