コロナ下で行った高校入試 出題範囲縮小など高評価
1面記事都教委調べ
東京都教委は、都立高校入試で行った、新型コロナウイルス感染症の流行を受けての対応について、都内公立中学校や都立高校の校長を対象にアンケート調査を実施した。学力検査の出題範囲縮小や推薦での集団討論の中止などが高く評価された。一方で、郵送による出願に課題を感じる校長が多かった。
対象となったのは、中学校が各市区町村から代表校53校。高校は、全日制と定時制を合わせて222課程を対象にした。今春入学者選抜で行った新型コロナ対策について意見を求めた。
出題範囲の縮小について課題の有無を尋ねたところ、中学校の78・4%、高校の93・1%が「課題はない」と回答した。自由記述では「範囲外となった学習内容に真剣に取り組まない雰囲気が一部生徒にあった」という意見が寄せられた。
推薦で集団討論を中止したことについては、中学校の91・5%が「感染症対策として有効」と回答。高校も98・2%が有効だと答えた。自由記述では「十分な対策を講じた上で集団討論を行うべき」「集団討論がないとリーダーシップや協調性が評価しにくいので、観点を工夫する必要がある」という意見があった。
郵送による出願については、課題に感じる校長が多かった。
中学校の80・0%、高校の35・5%が「課題がある」と回答。中学校からは「冬期休業明けから推薦までの期間が短く、指導が不十分になった」「推薦の合格発表から一般選抜の出願まで期間が短く、十分な指導ができなかった」といった、指導期間の短さを指摘する意見が寄せられた。高校からは、中学校や受験生への負担増加を心配すると同時に、「事務作業がこれまでより円滑に進んだ」という肯定的な意見もあった。
その他の配慮事項や詳細な結果は都教委のホームページ(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/exam/release20210924_04.html)から確認できる。