授業もテストもない学び「サドベリースクール」を映画化
2面記事10月2日から公開
授業もテストもクラスもない、自由って案外難しい?―。鳥取県智頭町にある「新田サドベリースクール」の1年間を記録したドキュメンタリー映画「屋根の上に吹く風は」が、10月2日から東京・中野区の「ポレポレ東中野」で公開される。自然豊かな山あいの四季とともに、スクールで過ごす子どもたちの姿や運営に関わるスタッフの葛藤を描く。
「サドベリースクール」は、全ての活動を子どもたち自身が決め、生活の中で学びを生み出すことを目標とする学習の場。「デモクラティックスクール」とも呼ばれる。
米国の「サドベリー・バレー・スクール」が発祥とされ、世界に約60校、日本では9校がネットワークに加盟しているという。学校教育法の「1条校」ではないため、子どもたちは地域の小・中学校に在籍しながらスクールで学ぶ。
映画は108分。子どもたちが田んぼでの米作りや喫茶店の運営、私立中学校への受験、スタッフ選挙などに悪戦苦闘しながら取り組む姿を追う。「黙って見守る」と「サポートする」の間で悩むスタッフの姿も映す。
監督・撮影・編集を手掛けた浅田さかえさんは、8月下旬に開かれたオンラインイベントで「取材する中で自分の価値観が覆されることが何度もあった。多様な教育スタイルについて考えてもらうきっかけになれば」と話した。
10月下旬には愛知県や大阪府、京都府での上映が決定。今後、全国で順次公開する。