一刀両断 実践者の視点から【第77回】
NEWS退職校長の再任用
千葉県で退職校長の再任用制度を次年度からスタートさせる報道が県紙の一面に載せられていた。
一番の問題は給与を下げることである。ある意味、責任は変わらないのに給与を下げて働かせるという理不尽きわまりない処遇である。分限処分のように通常の仕事が出来ないことにより減給されるのは仕方がないが、校長の職務が軽減されることはまずないだろう。
再任用という制度により給与を下げて雇用するのではなく、能力に応じて支給されるのが対価というものではないだろうか。今後の超高齢化社会にあってこうした再任用が人道や労働の考え方からして限界に来ているように私には感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)