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教師のいらない学級のつくり方

18面記事

書評

若松 俊介 著
子どもの自力成長への種をまく

 本書を目にした時、まずは「教師のいらない学級のつくり方」というインパクトのあるタイトルに目が奪われる。その意味は、子ども自身が「先生がいなくても大丈夫」だと感じられる学級のことを意味する。こうした状態になれば、子どもは自分で日々の学校生活をより良くすることができる。著者は「難しいことだからこそ目指す価値がある」と言う。
 本書では、まず「教師のいらない学級」の意味や目指す理由などについて解説。その後、教師であれば目指したいと思う「いい学級」とは、どのようなものかを改めて考察している。大切にしたいことは、「こうしたい」「こうしてみよう」という子どもの思い。「教師のいらない学級」では、こうした願いを実現できる学級の具現化に向け、教師のできることを模索するのが重要だとしている。
 「教師のいらない学級」を目指すステップとして、具体的に

 (1)「あらゆることを『自分事』にする」
 (2)「『うまくいかない』を乗り越える」
 (3)「子どもたち自身で成長する」

 ―の三つを提示。すぐうまくいくというわけではないが、少しずつ種をまき、段階を追って成長していくことが大切だという。それぞれのステップではQ&Aも扱っている。
 正解がなく、それを追究するのが教育の醍醐味。現職はもちろん、教職を目指す学生にも、教師の役割などを再考するためのきっかけを与えてくれる一冊になっている。
(2046円 明治図書出版)
(斉)

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