普通教室にゆとりを、整備指針改訂へ 文部科学省
2面記事 文科省は8月20日、学校施設の整備について議論している有識者会議の中間報告を公表した。これからの時代の学びを支える施設のために、多様な学習活動をしやすい空間の整備などを求めた。文科省は今後、施設の具体的な姿を「学校施設スタンダード」として提示し、学校施設整備指針も改訂する。
中間報告は「新しい時代の学びを実現する学校施設」として整備案を提示。1人1台の情報端末環境を生かすゆとりのある教室や、教科に対応して教室のゾーンをつくる校舎、地域コミュニティーの拠点となる空間―などの方向性を示した。
GIGAスクール構想で情報端末が配備される中、従来の平均的な教室の広さでは十分な学習スペースを確保できないと判断した。公立小・中学校の普通教室の平均面積は64平方メートル。65平方メートル未満が約7割を占めるが、国庫補助では74平方メートルとして積算しているという。
教育環境充実と老朽化対策を自治体が一体的に進めるための整備例も示した。
・余裕教室を活用し、3教室を2クラス分の空間として利用する
・不足するスペースを確保するため、改修に合わせて一部増築する
・家具の配置を工夫し、教室から連続した空間とする
―などの方法を載せた。
併せて、こうした施設整備が全国で実現されるように財政支援制度の見直しを要望。建築資材の高騰への対応を含め、国庫補助の単価を引き上げることなどを国に求めた。