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一刀両断 実践者の視点から【第56回】

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国歌を歌わぬ日本選手

 国歌を歌わない日本の選手が多いように感じられる。他国の選手がマスク越しにも口を動かしている光景に見ると、国歌を歌えない教育をしてきた傾向が現れているように私には思える。
 明治維新辺りから歴史が妙にヒーロー物語のようになり、真実が伝えられていない気がしてならない。「勝者の歴史」と言われて敗者や不都合な史実は埋もれていくのが世の常である。
 特に気になるのは小栗上野介である。また、第二次世界大戦では中島知久平もその一人ではないだろうか。そして道徳のバイブル的論文を命懸けで表した廣池千九郞などの功績は、今騒がれている渋沢栄一にも匹敵するし、命懸けという視点ではそれを越えていると私は見ている。
 また、江戸初期の立花宗茂や中江藤樹などは、軍師と塾頭と立場は違うものの仁義としては巨星の二人と評したい。
 このように、隠れた、あるいは隠された卓逸稀な人材は、知られていないだけであって、身近なところに存在していたのではないだろうか。そして今も身近なところに存在しているが、気がつかないだけなのである。
 日本という国が「ジパング」と呼ばれ、現在も世界が憧れる国であることは間違いがない。ならば国歌・国旗を平和のリーダーとして高く掲げて歌い上げたいものだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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