「特異な才能」をどう伸ばす 文科省が指導法や支援策を検討
1面記事 文科省は、特定分野に特異な才能のある児童・生徒を支援しようと、有識者会議で検討を始めた。才能の見つけ方や指導方法、学校外機関との連携などについて議論する。14日に開かれた第1回有識者会議では、座長を務める岩永雅也委員(放送大学学長)らが報告を行った。
主な検討事項として、
・特定分野に特異な才能のある児童・生徒の分野や才能の見いだし方
・特定分野に特異な才能のある児童・生徒が学校で抱える困難とその支援方策
・特定分野に特異な才能のある児童・生徒への教育課程や指導の在り方
・大学や民間団体等の学校外の機関との連携
―の4点を示した。
委員からは「特定の児童・生徒だけでなく、全ての子どもを対象にすることを国民に伝え、議論すべき」「子どもたちが才能を発揮する場を設け、得意なことや好きなことに挑戦する機会を増やしたい」といった意見があった。
岩永委員は、米国での教育を紹介。才能児教育の方法として「早修教育」「拡充教育」「2E教育」の3類型を示した。
松村暢隆委員(関西大学名誉教授)も報告を行った。「特異な才能」をどう定義すべきかを示唆。同時に才能教育の位置付けについて、特別支援教育や生徒指導とも関連させて検討する必要があるとした。
1月26日の中央教育審議会答申で、特定分野に特異な才能のある児童・生徒への指導が盛り込まれた。
その中では「これまでもスポーツや文化などの分野で学校外において特異な才能を伸長するシステムが作られてきている。一方で、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する教育に関し、学校において特異な才能をどのように定義し、見いだし、その能力を伸長していくのかという議論はこれまで十分に行われていない」とされている。
(11面に「議会質疑解説」)