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令和3年度食育月間セミナーをオンラインで開催

7面記事

企画特集

食育月間セミナーパネルディスカッションの様子

農林水産省

 農林水産省は、今年度改定した第4次食育推進基本計画の重点事項の一つである「持続可能な食を支える食育の推進」をテーマに新たな日常における食育体験やオンライン体験の可能性について、実践事例の紹介やパネルディスカッション等をオンラインで実施した。
 東京都瑞穂町近藤ファームの近藤剛さんは、東京産野菜を学校給食として100校に提供、食育や農福連携、後継者育成等の取り組みを報告。埼玉県さいたま市ファーム・インさぎ山の萩原さとみさんは農業教育ファーム25年のトップランナーとして年間6000人の体験受け入れ、堆肥を使った循環型農業、Twitter・YouTubeを活用した取り組み等を発表した。埼玉県秩父郡吉田牧場の酪農教育ファーム30年の経験をもつ吉田恭寛さんは、コロナ禍で実施したオンライン授業体験の取り組み等を紹介した。
 事例発表後は、農林水産省消費・安全局 清水正雄参事官をコーディネーターに、新たな日常における食育体験やオンライン体験の可能性などをテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
 事例発表者の3人からは「発信力」の必要性が共通して提示された。吉田さんはオンラインでのやりとりの際、ジンバルを使うなどの工夫を紹介しながら、「現場でどのように生産されているか消費者に見て頂く機会になる。正しい情報を発信していく」ことを強調。食品残さを飼料にするエコフィードの活用を例に畜産は環境破壊ではなく様々なサイクルでまわる「調和のとれた農業」であることを消費者にわかってもらえたらと語った。
 萩原さんは、安心・安全なものを求めた有機農業を通して、「自然と共生することこそ本当に持続可能な農業だと感じる」と語った。近藤さんは、自分がまずどんな環境負荷を出しているかを知り、フードマイレージを考慮した地産地消などの環境負荷低減への取り組みが持続可能な農業に繋がると指摘した。
 清水参事官は、オンラインでの取り組みの経験を活かしつつ、コロナ後は「現地に行くこと」を促すよう、視聴者に呼びかけた。

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