日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」第16回出光興産 環境フォト・コンテスト入賞者が決定!

10面記事

企画特集

コロナ禍でも過去最高応募数に

 わたしたちの身近なところにある、いつまでも残したい「○」の風景と、すぐにでも改善したい「×」の風景を写真にして、コメントを添えて作品にする、第16回(2020年度)出光興産主催の環境フォト・コンテストの各賞が決定した。
 本コンテストは、出光興産株式会社が、次世代育成と環境に関わる社会貢献活動の一環として、2005年から開催しているもの。作品づくりや作品展などを通じて、身近な環境や生活の問題に「気づき、考え、行動につなげてもらいたい」という想いが込められている。
 今回はコロナ禍にもかかわらず、応募総数は1万1656件となり、3年連続で過去最高応募数を更新したほか、学校団体応募数も490校と昨年より101校も増えた。コンテストの認知が進んだのはもちろん、学校教育においてもSDGsへの関心が高まっており、「三密」を避ける中で夏休みの課題として取り上げられたことが、応募数の増加につながった。また、応募作品の傾向も、遠方への外出が難しいため、自宅やその近隣の風景から気づいた環境問題、災害報道から感じた異常気象問題などを題材にした作品が目立った。

自然からの「気づき」を行動に変える

 小学校部門で金賞を受賞した鈴木健人さん(大阪府)の『ぼくの好きな川原のために』は、よく行く川原で見つけたかわいらしいテントウムシと、不法投棄されたポリ袋をオーバーラップさせた作品だ。「川原には意外とごみが落ちている。ぼくが大人になった時にも同じようにたくさんの生き物がくらしていくためにはきれいなかんきょうが必要だ。そのためには『まあいいか』という心のゆるみをなくしていこうと思う」とコメントを寄せている。
 今にも飛び立ちそうな羽ばたきの瞬間を切り取った写真は生命力にあふれており、そのぶん川原に落ちたポリ袋の違和感が際立ち、すぐに拾いたくなってしまうような強いメッセージを放っている。

 中学校部門は、佐々木こはるさん(宮城県)の『自然のストロー』が金賞を受賞した。父親が育てているハスが根から茎、葉っぱの葉脈まで空洞になっていることを知り、海を汚す人工のストローと対比させた作品だ。「これからはストローの使用を必要最低限におさえて、地球を守っていきたい」と、身近な気づきから環境問題への意識が芽生えたことを語る。
 プラスチック製ストローはリサイクルが難しく、自然環境へも流出しやすいため、環境保護の観点から廃止の動きが急速に広がっている。その中で、あえてハスの花の色や構図を合わせ、鮮明な対比になるよう仕立てている点が評価された。

自身の生活と環境問題を結びつける
 高校・高等専門学校部門で金賞を受賞した野島由美さん(大阪府)の『緑のある未来に!』は、自然の昆虫と重機による建築材の撤去(森林伐採)の対比による環境破壊を問う作品。角を突き出したカブトムシと、角のようなアームを持ったショベルカーという着眼点にもセンスが感じられる。「そこに住む、生物の事も考え、自然豊かな環境を守りながら、人間と自然が共存できる未来をつくっていくべきだと思った」と作品づくりの動機を綴っている。
 また、学校団体部門の最優秀賞は、沖縄県立那覇商業高等学校(沖縄県)が受賞。同校では環境問題や地域探求活動の一環として有効と考え、3年前より商業科2年生4クラスの夏休みの課題として取り組んでいる。指導教諭によれば、「気づき」から「考え」「行動に移す」意識がコンテストに参加することで生徒たちに確実に芽生えているという。
 このように、本コンテストを環境学習に取り入れた学校からは「地域・家族との交流が深まり、身近な環境問題を考え直すきっかけとなった」「作品は、身近なことを取り入れながらも世界を意識し、自分自身の生活と環境問題を結びつけて考えるよい機会となった」といった声が寄せられている。

 環境フォト・コンテストに関する詳しい情報はホームページまで。
 https://www.idemitsu.com/jp/enjoy/kids/photo/

今年度の募集を開始!
~未来につなげる「○(まる)」がある。未来に変えたい「×(ばつ)」がある。~

 出光興産株式会社は、今年で17回目となる環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」(後援:環境省、文部科学省)の募集を開始する。
 応募は、小学校、中学校、高校・高等専門学校部門と、学校単位で応募した学校を対象に「学校団体賞」を設けている。また、「わたしのまちの○と×」に気付き、それを解決するための行動、「だったらこうしよう」を表現する作品に特別テーマ賞として「だったらこうしよう」賞も設けているほか、学校団体応募者全員に参加記念品を進呈。
 審査基準は、写真のクオリティ、○と×の組み合わせとテーマ、作品コメントとして記入された環境に対する視点や考え方を、総合的に評価。作品のテーマも、単純に環境問題が比較できる写真から、住むまちの文化や家族・地域社会との関わり、仲間と行った環境改善活動の成果などへと広がりを見せている。募集期間は7月1日から9月30日まで。

 問い合わせ

・出光興産株式会社お客様センター
 Tel 0120-132-015
 受付時間 9:00~17:00(土日、祝日、年末年始は除く)

・出光興産株式会社広報部
 環境フォト・コンテストお問い合わせ窓口
 https://www.idemitsu.com/jp/contact/advertising_flow/index.html

企画特集

連載