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学力テスト改革を読み解く!「確かな学力」を保障するパフォーマンス評価

16面記事

書評

西岡 加名恵・石井 英真 編著
出題解析し「授業づくり」提案

 テスト結果が授業改善の促進要因として機能しつつあるOECD生徒の学習到達度調査(PISA)、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)や、国内での全国学力・学習状況調査、地方自治体による学力調査、学習指導要領実施状況調査、情報活用能力調査などを取り上げ、その意図や特徴を平易に解説しつつ、一連の「学力テスト改革」と「授業づくり」の間をつなぐのが本書である。
 特に、PISA、TIMSS、全国学力・学習状況調査を「学力水準」「学力格差」「学力構造」「学習意欲」の「4つの視角」から分析し、こうした学力テストが求める「学力」を育むための授業づくりとして「複数の知識やスキルを総合して使いこなすことを求めるような複雑な課題」と位置付ける「パフォーマンス課題を中心とする単元設計」を提案している。
 さらに、大学入学共通テストも加え、出題内容から国語科、社会科、算数・数学科、理科、英語科で目指される学力の行方を見極め、求められる学力育成につながる各教科での「パフォーマンス評価を生かした授業デザイン」を提示した。
 一連の学力テストでは測れないものも視野に、その先の学力育成を見つめた。本書に先立って「パフォーマンス評価」関連の2作を刊行したが、本書が加わり、三部作となる。理解を深めたい方には前2作も薦めたい。
(2200円 明治図書出版)
(矢)

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