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一刀両断 実践者の視点から【第31回】

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論説・コラム

不登校にどこまで関わるか

 《不登校の児童を車に乗せ無理やり学校へ・教諭に厳重注意》(朝日新聞デジタル)という見出しの記事を見て、私もしたかもしれないと感じられた。状況は定かではないが、この文面では親が不在の為にした行為が明らかに行き過ぎた事であったと決めつけられている。
 私の子どもも不登校であったので担任や校長がそこまで踏み込んでくれたならと願ったことが何度もあったが、してはもらえず歯がゆい思いを重ねた日々があった。
 今回は、その行為を教委がとがめた。親権が強く、やってはならない行為として強く印象付ける事になった。
 このニュースが出る前から、そこまではやらないと決めていた者には、言い訳が出来た事になる。やっていた者には歯止めが掛けられた事になる。今後は、親の一筆を取ってから行動する事になるだろうが、これは本来ならやらなくとも責められないサービスであり、その子を思って他の児童を誰かに任せて校長も共に出向くことは並々ならない思いがなければ出来はしない。
 指摘される程の非がないとするなら、その心労や労力を推し量れば担任や校長を私なら慰労したいところである。今後は親の意向も書面などで取り、ケースに応じての対応の共通確認をしておく必要はあるだろう。
 また、こうした出来事がニュースとしての価値を持つとするなら、問題点も指摘してほしいものだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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