文科省が外国人生徒に向けた「高校での日本語指導」を検討
NEWS 日本語指導が必要な児童・生徒が増えていることから、文科省は5月26日、「高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議」の第1回を開いた。高校での日本語指導の制度化の必要性や制度の在り方について議論する。座長には、明治大学特任教授の佐藤郡衛氏が就任。検討会は5回行い、10月には報告書を出す予定だ。
冒頭、事務局となる文科省の担当者が外国人児童・生徒の現状を説明。在留外国人が増加し、この10年で、公立小・中学校、高校に通う日本語指導が必要な児童・生徒数が2・7倍になった。多数派の言語に大きな変化は見られないが、母語となる言語が多様化していると報告した。
文科省の調査によると、高校に在籍する日本語指導が必要な生徒は、中退率が高く、卒業後に就職した場合、非正規雇用に就く割合が高いという状況も分かっている。
また文科省は、高校での日本語指導の資料作成のため、東京学芸大学と2年間の委託契約を結んだ。
政府の中央教育審議会でも1月26日の答申で、「特別の教育課程」の適用を含めた、通常授業の時間に個別に指導する「取り出し方式」での日本語指導の方法や制度的な在り方を検討するべきだと提言が出されている。