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一刀両断 実践者の視点から【第22回】

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論説・コラム

 とんでもない記事が出た。
 《茨城県立中・高入試、988件採点ミス/教委幹部ら1159人処分》(毎日新聞)である。全国の教委の中には、脛の傷が痛んでいる担当者がいるかもしれない。採点は採点基準を渡されて黙々と処理する。勿論二重三重のチェックをする。しかし、人のやることだからそれでも見逃しが出やすいのである。
 この傾向を放置しないためにマークシート式問題を諸先輩の反対と軋轢のなかで作り上げた事を思い出す。ソフトも作りシートも手作りで始めた。間違いは起きるのだから、いかに予防をするかを考えなければならない。
 今回は明るみになったが、そうならない例は至るところに存在している。
 内申書の誤記入がニュースになったことがある。そのほとんどは保護者からの指摘によって判明した。内部からのものではない。この一点をとっても隠蔽体質があることが疑われてしまう。
 文書訓告は重そうに見えて、口頭訓告と何ら変わらない。仰々しく見せているだけで履歴書に記すものではない。また、頭を下げても履歴書には記さない。
 このような対応は、その場しのぎとも揶揄される。偽善が見てとれる。処分のすべてを履歴書に記載する必要があると私は思っている。誰の履歴に残すか。基本はすべての関係者ではないだろうか。その結果で叙勲の対象となるか決まる。犯罪のような悪さをしても見つからなかった事をいいことに、堂々と叙勲パーティーをする恥知らずが教育界に限らず至るところに現存する。これでいいのか日本!
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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