昨年度の大学入試、一般選抜は2・9%の学部でオンライン実施
3面記事文科省調査
昨年度の大学入試で、一般選抜をオンラインで実施した学部は2・9%(72学部)だったことが文科省の調査で分かった。ほぼ全ての大学が新型コロナウイルスの感染症対策として導入したとみられる。
オンライン入試の実施率は、総合型選抜や学校推薦型選抜では一般選抜より高く、総合型は19・1%(273学部)、学校推薦型は18・4%(425学部)だった。多くは面接や小論文、口頭試問などを実施した=グラフ。一般選抜をオンラインにした72学部では26・4%が学力検査を実施していた。
オンラインで入試を実施するに当たって、不正防止策も講じた。写真付きの身分証明証を使った本人確認や受験場所の全体を撮影させることで環境確認をした他、コンピュータ上の監視システムを導入した例もあった。AIによる顔認証や目線確認などの対策を取ったという。
実施後の感想については、受験当日の業務負担が減ったとする声がある一方、不正の防止策が万全ではない、などと課題も指摘された。通信環境や機器操作によるトラブルも起きたという。
オンライン入試の実施を検討した学部は、実際以上に多かった。一般選抜では22・5%(539学部)、総合型では44・1%(656学部)、学校推薦型では39・1%(737学部)あった。公平性の担保や不正行為の防止が困難だとする理由から実施を見送ったという。
調査は文科省が4月、国公私立の全775大学を調べた。