わいせつ教員に臨床心理士がヒアリング 神奈川県教委
2面記事神奈川県教委
神奈川県教委は本年度、教職員によるわいせつ事案の再発防止に向けて、臨床心理士との連携を始める。児童・生徒へのわいせつ行為で懲戒処分を受けた人に、本人の承諾を得た上でヒアリングし、事案が起きた経緯や当時の感情の分析を進める。県教委が設置した有識者会議の提言を基に質問項目などを検討しているという。
ヒアリングは、地元教委の事務局で実施する予定。具体的な質問項目や臨床心理士の人材確保の方法は今後決める。わいせつ事案は、学校現場で評判の高い教職員が起こすこともあり、未然に見つけることが難しかった。
県内の懲戒処分件数は平成18年度から令和2年度にかけて減少しているが、わいせつ事案は5~8件と変動が少なかった。県教委の担当者は「夏ごろから段階を踏んで開始できれば」と話す。
臨床心理士によるヒアリングは、県教委の有識者会議がまとめた提言の一つ。他に、わいせつ被害が児童・生徒に及ぼす影響について学ぶ研修の実施や、教職員の心理状況を調べるチェックシートの活用など八つの方策が盛り込まれている。