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#学校ってなんだろう “学校”について自由に語ろう

16面記事

書評

ソクラテスのたまご編集部 編
存在意義を改めて見つめる

 コロナ禍の中で改めて学校の存在意義が問われている昨今である。本書は書名の「学校ってなんだろう」に対して、20人の方が私見を論じている。短いコラムも数多くある。まさに書名通り、自由に語られている。
 小学校で38年、そして今、高校で非常勤講師をしている立場の評者は、学校の存在を頭から否定するような論考がなかったことに、まずほっとした。その中でも児童精神科医の前田佳宏氏が指摘されていた学校の四つの役割に同感した。

 (1) 学力をつける
 (2) 同世代の友達とコミュニケーションを行う
 (3) 家族以外の大人とコミュニケーションをとり、関係性をもつ
 (4) 登下校や時間割により生活リズムを整える

 (1)は当然だとしても、(3)には意外と無意識な教師がいるかもしれない。(2)も含めれば、学校はコミュニケーションを体験できる場として欠かせないのである。一方で、このコミュニケーションが保障できない学校の存在価値は、限りなく低いことを示唆する。
 家庭教育師の藤田郁子氏は、「学校は、家族以外に自分を愛してくれる人と出会い、世界を広げる場」と題して、学校を応援していた。これも十分にかみしめたい言葉である。本書は、改めて学校の存在価値を教えてくれる。また一つ一つの論考が短いので、読みやすくなっている。
(1760円 学事出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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