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共通テストのスリム化必要、国・大学が財政負担を 入試センター経営難で

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共通テスト、スリム化必要

 大学入試センターの将来構想を議論してきたワーキングチーム(WT)が最終報告を公表した。大学入学共通テストがいったん実施不可能になり、検定料収入が入らなければ「直ちに経営困難に陥る恐れがある」として、安定した運営を続けるため国や大学の費用分担を要望した。また、試験問題の作成にかかる負担の軽減のため、出題科目の大幅な削減も提言した。
 WTは昨年6月から、高校・大学関係者を加えたメンバーで、大学入試センターや共通テストの役割について議論してきた。
 報告では、少子化による受験者の減少で現在の検定料のままでは、今後毎年十数億円の赤字が発生する、という試算があると指摘。検定料を維持するには、大学から徴収する「成績提供手数料」を引き上げることや公的資金による援助が必要だと求めた。
 入試センターは収入の9割を検定料に依存しているが、受験者の減少で収入は減っている。一方、省令で独自に検定料を引き上げることができず、自然災害や感染症対策などで試験の実施が不可能になると、直ちに経営困難に陥る状況にあるという。今年の共通テストの成績提供手数料は1件750円で、180円値上げしていた。
 報告では、大学入試を取り巻く環境の変化を背景に出題科目のスリム化も提言した。
 各大学が入試で、総合型選抜や学校推薦型選抜の比重を高めていることから、共通テストでは学習指導要領の必履修科目に絞って出題し、選択科目は大学が個別試験で出題することを示唆。「10~20年程度で大幅に見直していくことが必要不可欠」だと要望した。
 3月に公表した令和6年度実施の共通テストの出題科目では「簿記・会計」「情報関係基礎」の専門学科の科目を出題しないこととしている。
 文科省は今後、提言を踏まえ、財政支援や共通テストの出題科目のスリム化の課題を省内で検討する予定だ。

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