未成年の大麻乱用1・5倍に 令和2年警察庁集計
1面記事 コロナ禍により、学校休業が長期化した昨年、小学生による校内暴力事件が減る一方、中学生・高校生を含めた未成年者による大麻乱用が約1・5倍に増えたことが警察庁の集計で分かった。少年犯罪全体の件数は減る傾向が続いていたが、喫煙による補導の件数が減少から増加に転じるなど、新しい動きが出ている。
警察庁はこの結果を「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」としてまとめ、公表した。
それによると、14~19歳の刑法犯少年は12・3%減の1万7466人。5年以上にわたって減少傾向が続いている。13歳以下の触法少年は17・5%減の5086人で、やはり5年以上にわたって減り続けている。
文科省の集計では近年、小学生による暴力行為件数が増える傾向にあった。令和元年度は前年度の1・3倍になった。
今回の警察庁の集計で、校内暴力事件で補導された小学生数は26・3%減の118人だった。警察庁の集計でも過去5年間以上にわたって増加を続けていた。今回の人数は過去10年間で2番目に多く、長期の学校休業があったのにもかかわらず、依然として深刻な状況にある。
中学生・高校生の補導・検挙人数は減少傾向が続いた。ただ、高校生が検挙された事件は6件増えて94件あった。
大麻取締法で検挙された未成年者は45・6%増えて887人となった。過去5年以上にわたって増加を続けている。昨年は159人の高校生と8人の中学生が検挙され、どちらも前年を上回った。
喫煙で補導された未成年者数は前年より0・4%多い9万9220人。過去5年間以上にわたって減り続けていたが、今回の集計では増えていた。