2割強の教職員が過去3年間で「パワハラ受けた」都教委調べ
1面記事 東京都教委は、教職員のパワハラの実態やパワハラへの認識について調査した結果を公表した。過去3年間でパワハラを受けたことがあると感じた教職員は2割強を占めた。職場の人間関係が良くないと感じていた教職員に限ると、7割以上が、パワハラと感じたことがあると回答した。
全ての区市町村立学校、都立学校の教職員を対象に調査した。ウェブアンケートと紙回答を併用して実施。1万6815人から回答を得た。回答率は25%だった。匿名で回答してもらった。
厚労省は、パワハラについて、
(1) 精神的な攻撃
(2) 身体的な攻撃
(3) 過大な要求
(4) 過小な要求
(5) 人間関係からの切り離し
(6) 個の侵害
―の六つの類型を定めている。
現在の職場の人間関係について、「大変良好」「良好」と回答したのは合わせて73・1%。「どちらともいえない」は18・9%、「良好ではない」は8・0%だった。
過去3年間にパワハラを受けたと感じたことがあると回答した教職員の割合は21・6%だった。
人間関係が「良好ではない」と回答した教職員の73・4%は、過去3年間にパワハラを受けたと感じたことがあると回答した。
パワハラと感じた行動は具体的にどのようなものか選択肢から挙げてもらったところ、最多は、「必要以上に自分の仕事を監視され、関与された」の892件。次いで、「仕事のミスを強い調子で叱責された」が847件、「ささいなミスについて、長時間、何度も指導され人格を否定するような発言をされた」が770件だった。
パワハラ禁止を明文化した労働施策総合推進法の改正について知っていると回答した教職員は75・2%。そのうち詳細を知っていると回答した割合は全体の13・9%だった。職層別では、校長・副校長以上の97・5%が「知っている」と回答。詳細を知っていたのは52・4%だった。
改正の詳細を知っていると回答した教職員(13・9%)のうち、パワハラの判断基準として、「加害者側の指導内容が要綱上のパワハラの定義および厚労省等が『パワーハラスメントの行動類型』として示す内容に当てはまること」を挙げた割合は34・6%だった。
42・3%は、「『相手の指導や言動が厳しく、つらい』と自分が感じたかどうか」を挙げた。また、「個々の案件について一律に判断することは困難だ」と回答した教職員も21・6%いた。
この結果を受け都教委は、今後の取り組みとして、
・資料を配布するなどの教職員のパワハラの基礎知識の定着
・研修を通じた、管理職や指導的立場にある教職員の意識改革
・相談窓口の積極的な周知や相談手法の多様化など、相談しやすい環境づくり
―の3点を示している。