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学校現場にいかす特別支援教育ワークブック 多様な子どもたちへの理解を深める

20面記事

書評

向後 礼子・山本 智子 編著
摂食障害や児童虐待への対応も

 発達障害について社会的に関心が持たれるようになったのは最近になってからだ。「はじめに」に書かれているような「わがままな子どもと誤解されたり、家庭のしつけの問題とされるなど学校時代に辛い思い出がある本人や保護者が今よりもずっと多かったように思う」という状況があったことは否めない。
 「特殊教育」から発達障害等も含める「特別支援教育」に移行し、全ての学校において障害のある児童・生徒の支援を充実していくことが法令に明記され、実施されたのは平成19年のこと。以来、教員研修は行われてきているが、十分理解を深め、目の前の子どもに対する適切な支援や配慮ができているだろうか。
 本書は、教員養成に携わる大学教授等が特別支援教育について基礎的な知識を学ぶテキストとして執筆したもの。だから、障害について平易に解説し、学校現場における具体的な留意点、陥りがちなことなどを丁寧に述べていて、現役の教員にも学んでほしいことばかりである。
 通常の学級に多く在籍するようになった発達障害について紙幅を取るとともに、「多様な子どもたち」と副題にあるように、摂食障害など不安を背景とした障害や児童虐待など配慮が必要な児童・生徒についても取り上げている。また、章ごとにワークの課題が示されているので、校内研修等で活用し、多様性に配慮した教育を充実させたい。
(2420円 ミネルヴァ書房)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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