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1人1台端末、子どもが持ち帰るためのルールを 文科省が学校に通知

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行財政

休み時間中の活用も想定
オンライン試験システムの活用の検討も

 文科省は12日、GIGAスクール構想に基づいて整備を進めている情報端末について、積極的な利用・活用を促す通知を出した。国公私立学校が対象。情報端末を持ち帰り、自宅などで活用することは有効だとして、利用・活用に当たっての指導やルール作りに努めるよう求めた。学校内では授業の他、休み時間での利用・活用についても想定している。本年度の補正予算で試行が始まったオンライン試験システムの活用の検討も求めた。
 情報端末の持ち帰りについて文科省は有効性を強調しつつ、現場の判断に委ねてきた。既に情報端末の整備が終わった自治体の中では判断が分かれている。整備中の自治体では今後、判断することとなる。
 情報端末の持ち帰りを巡っては、家庭内の通信環境が課題となっていた。家庭内に無線LANがないなど、インターネットが利用できない家庭への配慮が求められていた。
 今回の通知には、この課題に対し、インターネットが利用できるように機材を貸し出す国の事業を活用することで対応するとした。
 通知では、1人1台体制の本格運用を始めるに当たっての点検項目一覧を添付。教育委員会、学校法人など学校設置者向けのもので、端末の故障・破損・紛失・盗難などの際の連絡先を児童・生徒らに示しているか、などを挙げている。
 この中で、「活用初期段階での具体的な活用事例を教職員に示しているか」を盛り込み、朝の会、休み時間、放課後を例に挙げて、授業時間外での活用を含むことを明記した。

 オンライン試験システムは、小・中学校、高校を主な対象として構築を目指している。国の全国学力・学習状況調査などを出題し、児童・生徒は端末上を通して解答する。「学びの保障オンライン学習システム」と呼んでいる。
 通知では、令和3年度中には、希望校で利用できるようにする予定であることを明らかにした。併せて、各自治体が独自に実施する学力調査などで活用できるようにすることも検討中であるとした。

学びの保障オンライン学習システム
 国や地方自治体が作成したテスト問題などを活用し、児童・生徒が情報端末を使い、学校・家庭で学習するもの。本年度の第1次補正予算で事業化した。既に一部の学校で試行が始まっている。
 略称は「メクビット(MEXCBT)」。文科省の略称である「MEXT」とコンピュータ式試験(Computer Based Testing、CBT)をつないだ造語。

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