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思考力・判断力・表現力を育てる 小学校国語科の課題学習

16面記事

書評

藤井 英子 著
発達に応じたグループ学習を提示

 課題学習への憧れは、教師なら誰でも持っているだろう。評者も若い頃からこの学習にチャレンジしてきた。しかし、どう振り返っても、十分な成果が得られたとはいえない。本書で著者が指摘している次の点の配慮が不足していたからである。

 <30人の学級だとすると自己学習の結果を30人がそれぞれ発表することは難しい>
 つまり実際に発表ができる子どもの数は、限られているのに、発表形態は挙手指名になり、一部の子どもしか活躍できない授業になることが多くなっていた。
 打開策はどうなるのか。著者は「グループによる学び合い」を提唱されていた。

 <少人数のグループを編成するとどの子供も自信をもって発表することができる>
 こんなある意味で当たり前のことに気付かず、ただ発問一つで読み取りの交流を高めようとしていた、評者のかつての授業実践が情けなくなる。まさに懺悔の気持ちだ。
 著者はこのグループによる学び合いの過程を「1~2年の対話的な学び合い」「3~4年のグループでの学び合い」「5~6年のグループでの学び合い」の三つのタイプを示す。さらにその後に「全体による学び合い」を提唱する。ただコロナ禍のグループ学習が、どうあればいいのか。難問である。
(1716円 明治図書出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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