学校給食は減塩を「適切な時間確保」も求める
1面記事文科省が基準改正
文科省は12日、学校給食で提供する食事に含まれる食品成分の含有量について、望ましい基準を示した「学校給食実施基準」を改正し、留意事項と共に通知した。平成26年に小・中学生を対象として食生活を調べたところ、塩分や脂質の摂取が過剰である一方、食物繊維の摂取は不足している傾向にあることが分かった。これらの食品成分の基準を改めるとともに、「適切な給食時間の確保」などを求めた。
改正した学校給食実施基準は4月1日に施行する。1食当たりの食塩の含有量はナトリウムの重さで示しており、6~7歳児について「2グラム未満」から「1・5グラム未満」に引き下げるなどした。10~11歳児も引き下げている。
逆に食物繊維は12~14歳児で「6・5グラム以上」から「7グラム以上」へと引き上げた。ビタミンCも8~14歳児で引き上げている。
これらの基準については、引き続き、地域の実情などに応じて弾力的に運用するよう求めた。
12日付の通知では、学校給食の提供方法なども示した。給食のために確保した時間は、一部で、短過ぎるとの指摘があった。通知では、「準備から片付けを通して、計画的・継続的に指導することが重要であり、そのための必要となる適切な給食時間を確保すること」を示した。
学校給食時間内外で行う食育の在り方についても示した。地場産物に関しては、これまで、「地場産物や郷土に伝わる料理を積極的に取り入れ、地域の食文化の継承に配慮すること」を求めていた。
今回の通知では、地場産物に関して、「生きた教材」と位置付け、自然・文化・産業などへの理解、食への感謝の念の育成などの上で重要であるとした。引き続き、食材としての活用を求めているが、「食料輸送に伴う環境負荷の低減」にも役立つとの意義を加えた。
郷土料理に関しても引き続き提供を求めた。併せて、児童・生徒がその歴史、ゆかり、食材などを学べるようにすることを配慮事項として挙げている。また、「地域の食文化等を学ぶ中で、世界の多様な食文化等への理解も深める」を加えた。