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SDGs×探究学習×ウィズコロナ 変革する教育旅行を「瀬戸内・松山」で、という選択

13面記事

企画特集

松山版サステイナブルツーリズムを創造

 令和2年は、さまざまな業種体が、新型コロナウイルスの影響を受けた。修学旅行も例外ではなく、松山市への修学旅行も8月までは実施実績はゼロの厳しい状況が続いた。そのような中、同市は、出発地から近場での「マイクロツーリズム」や少人数で分散したコースの実施が多くなること、そして、受入先等の徹底した新型コロナ感染予防対策が必須となることをいち早く察し、「オール松山」で関係機関と協力しながら、教育旅行再開の準備を進めてきた。その結果、令和2年は最終的に前年比約240%増、150校(見込み)と実績を大幅に伸ばしている。
 現在は、令和3年度以降も選ばれる修学旅行先となるために、SDGsと教育旅行を組み合わせ、進化した深い学びを体感してもらおうと、教育旅行版「SDGs体験学習」「探究学習」の整備を進めている。
 従来から、松山の体験メニューは、「本物の体験」「将来に生きる体験」をテーマに既にSDGsの要素を含むものが多数ある。例えば、参加者に好評の「吟行@句会ライブ体験」は、プロのガイドレクチャーを受けながら「誰でも簡単に俳句を作れる」ことを学ぶ。また、俳句を作るためにまち歩きを行うので、SDGsの「ゴール4.質の高い教育をみんなに」と「ゴール11.住み続けられるまちづくりを」の視点を持って学ぶことができる。
 同市は、2020年7月に国から「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定された。正岡子規、高浜虚子を輩出した「俳句のまち」であり、「俳句」を松山ならではの固有文化としている。『17音』から成る俳句、そして、SDGsの目標も『17』で構成される。この不思議な音(数)のつながりを感じながら、俳句を使って松山からSDGsを発信し、先駆的な学習のサポートや教育旅行の更なる充実につなげたい考えだ。
 「本物の体験」「将来に活きる体験」を通じ、松山を「第二のふるさと」と感じてもらえるサステイナブルツーリズムの実現を目指し、次世代を担う子どもたちの笑顔のため、持続可能な目標に向け突き進む「松山旅」に今後も注目が集まりそうだ。

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