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子どもを救ういじめが終わる方程式

14面記事

書評

品田 奈美 著
人間心理を理解した対応を提唱

 「いじめが終わる方程式」を提唱している著者は断言する。

 <複数の人間が集う限り、どのような場所・組織においても、いじめは起き得るのです>

 だから、かつて「いじめ0運動」といった政策を進めたところもあったが、現実的ではなかった。昨今、大人の組織で深刻な問題になっているパワハラは、大人社会の典型的ないじめである。問題はそのいじめを早く終わらせる知恵になる。
 著者によれば、いじめの方程式は次のようになる。

 <「自分」が「自分」をいじめる=いじめが発生する>

 さらに、いじめが終わる方程式も示していた。

 <自分が自分を「愛する」=いじめが存在できない>

 この理由については本書に詳しく論じられている。いじめ問題の背景にある人間心理を見事にえぐっている。この人間心理を理解しないと、教室で「いじめはいけません」などといくら指導しても、効果がないことを、教えられる。「いじめ」防止の指導は、いつも形式的になるのが隘路なのだ。いじめがなくなる姿を著者は次のように力強く語る。

 <自分が自分を「愛する」、「大切にする」、「受け入れる」ことで、「いじめが存在できない」世の中になるのです>

 本書を精読して、いじめ心理を学びたい。
(1760円 学事出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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