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どの子も笑顔になれる 学級づくり&授業づくりのネタ35

18面記事

書評

土作 彰 著
力量ある教員の教育技術に学ぶ

 小学校教師は、子どもたちに笑顔が生まれるように授業を展開しなければならない。恥ずかしい話だけれども、こんな大切なことに気付いたのは、学級担任の晩年だった。
 さて本書の書名の冒頭部「どの子も笑顔になれる」に注目したい。これを意識するかどうかで教師修業の歩みが異なるものになるからだ。本書の「はじめに」の中で著者は言う。
 <力量のあると言われている先生の教育技術の数はハンパなく多いのです>
 評者はこんな指摘を読みながら、例えば野口芳宏氏や有田和正氏の名人級の授業を思い出す。授業で子どもたちを笑顔にする教育技術が炸裂していたからである。
 本書は「第1章 ミニネタ集めは力量形成の近道!」「第2章 ワンランク上の学級づくり&授業ネタ」から構成されている。どこから読んでもいいから、まずやってみたいネタがあったら、実践してみることである。
 例えば6年担任だったなら「卒業式の意義を教えるネタ」が3学期に役立つだろう。いやこのネタは5年生以下にも、工夫していくらでも使える。
 教師としての力量を高めたかったなら、本書に出ているようなネタを学ぶことが鍵になる。これを忘れて子ども理解が先だなどと建前論を言っていると、教師力は身に付かない。
(1760円 黎明書房)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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