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コロナ禍に新「3つのR」を つながりの重要性など訴え

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神奈川の教職員組合が集会

 コロナ禍により、教職員組合による教育研究集会の中止が相次ぐ中、神奈川県では、16、17の両日、オンラインとオフラインを組み合わせて教育研究集会が開かれた。心理学などの専門家による講演や、県内の教員による実践報告などがあった。このうち、慶應義塾大学の佐久間亜紀教授は、これからの学校に必要な要素として「リレーションシップス(つながり)」などの「3つのR」を提唱した。
 同集会は神奈川、横浜、川崎各県市の教職員組合で構成する「かながわ教職員組合連合」が主催。2日間で延べ2300人が参加・視聴した。4分科会に分ける形式としたが、日時をそれぞれ別にして参加者は全て参加・視聴できるようにした。
 佐久間教授が講演した分科会では、米国の小学校でのオンライン学習の状況を報告した上で、「読み・書き・計算」を意味する「3つのR」とは異なる「3つのR」の必要性が米国で提唱されていることを紹介した。
 「つながり(リレーションシップス)」の他、「日課(ルーティーンズ)」「自分を癒し回復する(レジリエンス)」を挙げ、日本でも同様に必要であることを訴えた。
 「感染予防のための学びと子どもの心のケア」を主題とした講演・パネル討論を行った分科会では、兵庫県立大学の冨永良喜教授(災害臨床心理学)を講師に、中学校で養護教諭を務める臼井千浪さんと、平塚市子ども教育相談センターの神田陽一所長がパネリストを務めた。冨永教授は、心を落ち着かせるための呼吸法を紹介するなどした。
 情報通信技術(ICT)を主題とした分科会では、ICT関連企業のJMC代表取締役を務める坂本憲志さんが講演するとともに、小学校教諭の枝貴之さんが実践報告を行った。枝さんは、記録や鑑賞といった活動の際、情報端末のカメラを利用することで、語彙力や絵を描く力にとらわれることなく、発見や観察に集中できるといった利点を紹介するなどした。
 日本大学の末冨芳教授が講演した分科会では、新型コロナウイルスの変異種が日本でも流行することで、オンライン学習に切り替えることがあるかとの質問に対して、「可能性はある」と応じた。その際、「ゼロから頑張る自治体が多いと思うが、先行自治体の状況は把握した方がよい」と助言。熊本市を先行事例として挙げた。
 四つの分科会のうち、冨永教授らによる講演・パネル討論は、一般社団法人の社会応援ネットワークとの共催とした。この教育研究集会自体も、同ネットワークの協力により、オンラインでの配信が実現したという。

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