児童・生徒の防寒対策柔軟に 緊急事態宣言受け文科省通知
1面記事 新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域が11都府県へと拡大するのに先立ち、文科省は8日付の通知で、全国の教育委員会などに対して、留意事項を伝え、感染拡大の抑制と教育活動継続を目指してきた。通知には、学校向けの点検項目一覧を添えて校内の換気を促すとともに、防寒対策として室内でのコート、マフラーの使用をはじめ、毛布まで例に挙げて防寒対策を検討するよう求めている。
今回の緊急事態宣言で政府は、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を改定。学校については、一律の臨時休業は求めないとしている。保育所も原則として開所させておくことを要請するとした。
文科省の通知では、8日に緊急事態宣言の対象となった埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県について、警戒度を高めることが必要だとした。これら4都県を含む全国の学校で点検する項目として、「学校教育活動を継続するためのチェックリスト」を添えている。
室内では常に換気していること、それが難しい場合は、休み時間ごとに窓を全開にしていることを挙げた。その上で、児童・生徒に暖かい服装でいるよう指導すること、校内での衣類着用について柔軟に対応することを掲げている。
校内での防寒対策としては「コートや防寒着・マフラー等の着用、ひざ掛け・毛布などの使用等」を示した。
他に、食事の際は、教職員を含めて、飛沫感染を防げるような席配置にするか、会話を控えていること、教職員の目が届きにくくなる部室での食事にも同様に注意していることなどを挙げている。
この通知では、非常事態宣言の対象となった地域について、高校と特別支援学校は設置者の判断で、時差登校や分散登校を検討するよう要請した。
部活動に関しては、学校が独自に行う他校との練習試合、合宿などを一時的に制限するなど警戒度を高めることとした。活動自体の中止は求めなかったが、練習後などに生徒同士で食事を取るようなことがないよう、指導を徹底することを挙げている。
校内での防寒着の着用を巡っては、既存の校則や校内ルールを緩和するなど、どこまで容認するかが課題となる。文科省が例示した衣類の他、禁止していたタイツの着用、使い捨てカイロの持ち込みなどを認める動きがある。